Overseas_DB

発展途上国の保健医療分野におけるデータ・ベース構築

今日の保健医療分野では各種疾患の診断や治療に関する臨床研究データを重視した科学的根拠に基づいた医療(Evidence Based Medicine: EBM)が実践されており,保健医療の未整備な発展途上国でのEBMの普及が世界的な課題のひとつになっています
私たちは,ラオス人民民主共和国におけるEBM研究の推進のために,遠隔医療システムを活用し(図左),保健医療情報のデータ・ベースを構築しています
このシステムを用いて,歯科のレントゲン画像から顎骨の厚さを測定する技術を使いラオスの人々の健康に資する骨密度データを作成しました(図右).骨密度が低下すると骨粗鬆症になり骨折しやすくなりますが,この骨密度には乳幼児期からの栄養状態が影響すると考えられています.このデータをもとにして,日本とラオスの子供たちの健康管理の指標を検討することができます

遠隔画像診断ネットワーク(左)と画像データから得られた顎骨の皮質骨(骨塩量)変化

Overseas_Edu

発展途上国における医療系学部の教育支援

発展途上国における医学・歯学教育制度の基盤形成を,日本の医療系大学・学部が支援するモデル構築を目標として,ラオス人民民主共和国において唯一の医療系大学であるヘルスサイエンス大学と「地域における保健医療・学校保健」を課題とする問題解決型教育プロジェクトを発足し,小学校児童の健康に対する調査活動,プライマリ・ヘルス・ケア,健康情報のデータ・ベース構築などの保健医療活動を実施しています.
本事業の活動成果を発展させ,当該大学において新設される修士課程の指導教官育成,教育方法・各種教材などを共同開発し,保健医療分野の修士課程の構築支援を継続しています

日本大学医学部の視察(左)とラオス農村地域における歯ブラシ指導の授業(右)

Telemedicine

遠隔医療の普及

医療ネットワークの構築のため,最新の遠隔医療や遠隔画像診断の普及活動を行っています。

Education

医療人の育成

これからの医療の担い手となる人材育成支援を広く行っています。

離島の地域医療を担う医療人育成

日本大学歯学部・付属歯科病院の「離島歯科診療の支援基盤となる卒後臨床研修」では,僻地の地域医療の担い手となる医療人の育成支援を目的として,学部教育から卒後教育までを連携させています
学部教育においては学生が地域医療の役割を理解できるように,また歯科病院においては研修歯科医が地域ニーズに対応するノウハウを習得・習熟するように研修を実施しています

研修歯科医の離島派遣(左)と歯科病院と離島歯科診療所の遠隔医療ネットワーク(右)